パラレルエロ注意。

L→月の家庭教師
月→その生徒


くわしい設定は佑月さまの僕のせんせいをご覧ください。
ソチラをふまえたうえでお読みいただけますとさらにお楽しみいただけます。
むしろ読んでいないとなんのこっちゃな部分があります(不親切!)








ぼくのせんせい





 「ね、よく撮れてるでしょ」

 「……ん、…っう……」

 「先生? 駄目だよ目を閉じちゃ。ちゃんと見て…ホラ」

 「…っ!」


 床に散乱した中の一枚を拾い上げ、先生の鼻先に突きつける。
 反射的に、ぎゅっと目を閉じうつむこうとする顔を許さず顎を捉えて上向かせた。

 切なく涙まじりに鳴る細い喉。


 「ねえ、綺麗だろ?」




 印画紙に鮮明に映し出されているのは、昨日の先生。

 僕のベッドの上、白いシーツにほそい肢体を投げ出して横たわり、意識をうしなっているのかいないのか判別しがたい表情で涙に濡れた頬をさらしている。
 情事のあとの生々しい写真。
 まっしろで滑らかな肌の上に点々と、赤い鬱血がいっそ無残なほどに散らばり、だらしなく僅かに開いた脚の内股には、とろりとした白い粘液が伝い情交の跡を残しているのがはっきりと見てとれる。


 以前、セックスの後戯れに撮ったものを見せたときの反応が可愛かったので、昨日も嫌がる先生を泣かし、無理やり犯しつくしたあとレンズを向けた。


 フローリングの上に散らばる、きれいで淫猥な先生の媚態。


 僕には慾情をそそるだけのそれらの写真も、先生には羞恥と嫌悪の対象でしかないらしく、無理やりに視界に収めさせているとやがて大きく肩をしゃくりあげ、いつものように僕の腕の中で泣き始めた。

 「う…っ、…もう……ゆる、し……ください…」

 「駄目。まだ途中。ホラ…休んでないで、手、動かして」

 「……っ…」

 促すように手の甲を摩ると、胸に収まる背筋がちいさく震える。


 『今日は虐めない代わりに写真を見ながら自慰をしてみせて』という僕の悪趣味極まりない提案に、先生は最初こそ悲痛に顔をゆがめて拒否を示していたが、昨日の今日でまた挿入されるよりはましだと考えたのか、結局は渋々と指示に従った。

 ジーンズを脱ぎ去り下半身だけを晒した格好で、膝の間に坐らせ後ろから抱きしめると、すべてが露わになるよう大きく足を開かせる。

 すこしでも僕の視線から逃れようと身体を前のめりに縮こまって泣いている先生を見て、この人が僕の家庭教師で、現役トップの東応大学生で、この部屋に数学や英語を教えに来ているなんて、誰が思うだろうか?


 可愛い先生。


 思えば初めて逢ったときから、僕にとって彼は慾望の対象でしかなかった。

 黒い目、黒い髪、比類なき頭脳。
 ただ退屈で、他人になんの期待も抱けなかった僕が初めて興味を覚えた、たったひとりの人間。

 だから僕は彼を抱いた。

 いつものすました表情を嫌悪と恐怖に引き攣らせ、抵抗する身体を強引にねじ伏せて。
 痛みと屈辱に泣き喚き、「もうやめて」と哀願するくちびるを塞いで。


 何度も何度も、彼がやってくる約束の曜日ごと僕はこうしてこの部屋で、家庭教師の先生に、誰にも云えないことをする。


 秘密の恋人。
 もっとも彼が望んだ関係ではないけれど。


 それでも彼はこうして僕のところへやってくる。

 彼は、僕に、逆らえないから。









 許されないと悟ったのか、やがて彼はぐずぐずと泣き声を殺しながらも、伸ばした手で自らの性器を握りこんだ。

 おずおずと、止まっていた手が再び擦り動かされる。

 「……ん…、ん…、…っ…」

 せめて早く終わらそうと、懸命に自身を慰撫し追い込む先生の耳朶に息を吹きかけ軽く食むと、反応するようにぴくんと首がすくまる。

 いちいち反応が顕著すぎるから、こうして意地悪したくなるんだ。


 「ホントにいやらしいね、この写真。こんなエッチな顔しちゃって…
 知ってる?先生セックスのときはいつもこんな顔してるの」

 「………っ、……」

 「昨日だって嫌だ嫌だって云いながら、あんなはしたない声上げてイっちゃってさ。
 無理やり突っ込まれたのに、それでも感じるんだもんね? 先生は」

 ひけらかすようにわざと先生の眼前で、指で挟んだ写真を翻す。
 まるで聞くまい、見るまいとしているかのように、先生はくちびるを噛みしめてうつむき、黙ったまま事務的に手を動かし続けていた。
 最近になって先生は、ようやく下手な反応を返せばそのぶん僕を助長させるだけだと悟り始めたらしい。


 でも、所詮は無駄なことだけれど。

 先生の乱し方なんて、世界中の誰より僕が一番知ってる。


 「昨日、何回イったか覚えてる?」

 耳殻への刺激にひく、と肩が揺れた。

 「覚えてるよね? 昨日のことだもん。そうだな、ちゃんと正しい答えを教えてくれたら、今日はもうこれで帰ってもらって結構ですよ。……"竜崎センセイ"」

 「………………」

 「どうしたの?センセイ。口がきけなくなっちゃった?」

 からかうようにぬるりと耳裏に舌を這わせる。それだけでも吐息が漏れる。
 引き結ばれていたくちびるが、戦慄きながら緩くほどけた。


 「……んかい…」

 「聞こえない」

 「…っ…さ…ん、かいです……っ」


 半ば自棄に吐き出された言葉は、屈辱からが語尾は震え、泣き声に似ていた。
 顔をうつむかせ、目元を真赤に染めて羞恥に耐える先生がまたひとつ傷ついたのを確認すると、僕は満足して息を吐いた。


 「……惜しかったな、残念。正解は四回」

 「……!?」

 僕の大仰にトーンをおとした声に、先生が目を見開いて後ろを振り返る。

 「まあ覚えてなくてもしょうがないかな。最後のほうは先生朦朧としてたし。
 気づいてなかったの?……されながら写真撮られてたの」

 「な……」

 「うそじゃないよ。あとで確認してみれば?」

 AV女優顔負けの写真映りだったよ、と笑いまじりに云いながら顎で床の写真を示すと、先生は信じられないとでも言いたげな眼を僕に向け、僅かに白んだくちびるを震わせた。

 常からこんな扱いを受けていたって、元来プライドが高いのは変わらない。
 酷いやり口で傷つく先生の様相は、いつだって僕を高揚させる。


 「ちょっとズルい問題だったから…特別にこっちで、手伝ってあげる」


 膝裏を抱えていた手をすべらせ、つ、と後孔を指先でなぞりあげる。
 途端、びくんと身体を跳ねさせ先生が声を上げた。

 「やっ…! き、今日は…しないって…!!」

 「しないよ。ちゃんとひとりでイけたらね」

 そのままつぷ、と中指を内部にもぐらせると、先生はひっ、と息をのんでくちびるを噛みしめた。

 昨日散々犯され拡げられたはずの其処は、指一本呑みこませただけでも敏感に収斂し、きゅうきゅうと締めつけてくる。
 本来性行為の為にない細い器官。
 それでも三日とあけずに僕に犯され、性感帯としての此処での快楽を憶えこんだ身体はすこしでも弄られれば嫌でも反応し、主人の意思に関係なく、もっと飲み込みたいと強請るように解けはじめる。

 「あ、あぁ……っ、や、…っ」

 後ろへの愛撫をはじめた途端、先生の性器からは目に見えて先走りの量が増え、自身の指をとろとろと粘液で濡らしていた。茎をすべるたび、くちゅりと淫らに音がたつ。

 「もう前よりこっちの方が感じるんだ。すっかり変態だね」

 「んッ…、ち、違……」

 「なにが違うの? ホラ…中のココをこう、すると、気持ちイイんでしょ?」

 云いざまに慣れた手つきで探りあてた先生の弱いところを擦りたてると、悲鳴をあげて薄い背が仰け反る。不規則に呼吸しびくびくと腿を痙攣させる先生の耳もとに、窘めるような声で「手が止まってる」と勧告すると、彼は感極まってか幼い表情でせきを切ったように涙をこぼし始めた。

 「ひっ…、う……ぅくっ、…もっ…やだ……ぁあ…」

 「嫌なら早くイケよ。先生。手を動かして」

 それとも後ろだけでイきたいの?と耳もとで揶揄すると、しゃくりあげながら弱々しく首を横に振ってみせる。
 さらに追い込むようにもぐらせた指で感じるところだけを刺激してやると、先生は子どものように嗚咽し甲高い喘声をあげた。泣きながら感じている。

 「あっ…あぅ……、あ…」

 「ココ、昨日も僕が何度も撫でてたら、先生直ぐイっちゃったよね」

 「っ!……ぅ…」

 「ホラ、手を動かして」

 なんども促すと、先生はふるえる手でようやく自慰を再開した。
 拙く自身を擦りあげる手つきは無意識でも、かなり性感が高まってきているためか速度を増し、的確に敏感な部分を捉えてはじめている。


 「二回目も……僕ので、ココによくあたるように腰を動かしてあげたらあっという間で…前も触ってないのに。最初は痛い、痛いって嫌がって泣いてたくせに……嘘吐きだね。先生は」


 後ろだけで達してしまわないよう、愛撫を緩いものに変えながら指を動かし、なおも言葉で聴覚から責めたてる。
 先生はこれが好き。
 こうして、泣き顔をみせて嫌がる素振りをしてみせても、悪辣な台詞で淫乱だと貶めてやれば、それだけで快楽が加速するのを僕は知ってる。


 「この写真、三回目のあとだよね。……どうだった?三回目は。どうやってイったか、覚えてるでしょ?」

 まるで証拠物件を見せつけるように写真をひけらかす。
 先生はいたたまれないようにぎゅっと目を閉じ首を横に振った。

 「嘘吐き。いい子に出来ないなら、お仕置きが必要かな。昨日みたいに」

 「! っやだぁ…!!」

 「じゃあ、云って。教えてよ。先生」

 あまく強請りながら人差し指でぎっちりと中指をくわえこんでいるいりぐちを撫でると、ひくひくと内部が物欲しげに収縮する。
 僕が許容の言葉を吐かないことを悟ったのか、先生は観念したように顔をうつむけた。

 閉じた睫毛が恥辱にふるえる。




 「……っ、……ら、月くん…に、………おく、…突かれて……
 ………前…触って……くださいって……おねがい…しま、した……」




 涙声を抑えつけて、喉から引き絞るようになんとかそう吐き出すと、先生は今度こそ本気で泣き始めた。
 毎回僕に『強姦』されている先生には、その行為のうちで快楽を得ているなんて認めることはこのうえない羞恥なのだろう。可哀想に、呼吸もままならないほど息を引き入れ、 ぼろぼろと大粒の涙をこぼしている。

 僕はその頼りない華奢な肩口にそっとくちびるをおとすと、つとめて優しく囁いた。


 「ちゃんと言えたね。…いい子には、ご褒美あげないと、ね」



 「…っ────!!!」



 二本目の指を捻じ込むように挿入した途端、先生は背を引き攣らせて果てた。


 びくびくと全身を戦慄かせながら白い粘液を吐き出す。軽い痙攣に苛まれたあと、波がひくのと同時にがくりと身体を支える力をうしなって僕の腕の中に落ちてきた。

 いつも達した直後にみせる、またひとつなにかを喪失したようなえもいわれぬ先生の表情。その顔を見るだけでたまらない。僕は。


 たまらなくなって、自分が止められなくなる。



 包むこみきれなかった先生の手指のすき間からあふれた飛沫が飛び散り、床に散らばった写真を白く汚した。






setting excerpt from bokuno-sensei・taruto




おつです。

extra text. ぼくのせんせいをお届けいたしました。
わ〜やっちゃった!たのしかった〜!

佑月さまの快いゴーサインが出ましたのでupしてしまいましたが…どうなんでしょう…どうでしょう……駄目ですか…そうですか… OTL しゅん。
『写真ちらつかせてLたんいじめる図』というのがコンセプトでした。
自慰ネタ思いついたときにはえげつねー!と自分に閉口しましたが、いさ書いてみればもっとえろい使い方があったような気もします…
写真って萌ェですよねv
本編(佑月さまの)で月くんが写真を持ち出したときにはホントワタシどうしようかとおもいました…

衝動のおもむくままにSSまで書いちゃったわけですが。
佑月さまの月くんのようなドライな虐め方がナカナカできず OTL
精進が必要です。

とりあえずこんなんでよろしければ佑月さまに差し上げたいとおもいますv
駄文ですが OTL どうぞ引き取ってやってください…



update---2005.7.20