「かぎ……鍵を……」 そう言って立ち上がろうとする身体を椅子に固定する。 「だいじょうぶ。さっき来た時掛けたから」 瞼にキスを降らせながら呟くと、先生は驚きなのか呆れなのか判別できない複雑そうな表情を浮かべた。 わざわざ鍵を掛けていたということは最初から僕の目的はコチラだったということを悟ったらしいが、別に今更ばれたところで問題は無い。 ここまできたら、先生は抵抗できないことを知ってるから。 白衣の裾を掻い潜り、シャツのボタンをいくつか外すとその中に掌をすべらせた。 「ン……!」 胸の突起を捏ねるように押しつぶすと、すぐに其処はふっくらとした反応を指先に伝えてくる。 熱っぽい吐息が、耳元を掠めた。 「感じる?」 わざと意地悪く問いかけながら爪弾いてやる。先生は「あっ」と可愛くないて僕の肩にしがみつくように爪を立てた。 本当に素直な反応だ。 僕は笑ってその頬に口づけると、身体を下にずらすようにして移動させた。 再び下肢に手をかけると先生は狼狽するように視線をさ迷わせたが、さほどの抵抗はみせずに大人しくされるがままになっている。 ベルトを外し、前をくつろげると隙間から手をさし入れた。 「あ………」 直接握りこむようにして性器に触れると、ぶるりとその肩が震える。 既にかたちを変えつつあったそれは、数度扱きあげただけでぐんと硬度を増した。 「ふ……っ……」 僕の手の動きに合わせて、小さな喘ぎと共に不規則な呼吸を始める先生の耳元に唇をよせる。 「もう濡れてる」 そう囁いて敏感な先端を親指の腹で擦った。 先生が息をのんで仰け反る。 「やっ……い、云わないで…下さい…っ」 先走りのぬるぬるとした感触が伝わってくる。少し触れただけなのに、ほんとうに感じ易い。 「ホントはゆっくりしたいけど、時間があんまり無いからね」 行っている行為に相応しくないのん気な声でそう告げると、椅子に座らせたまま先生の脚をわり開く。 床にひざまづいて屈みこむと、屹立しているソレに舌を這わせた。 「ふ……あ…!」 舌で誘導するようにして口腔内に含む。そうしただけで先生の腰が大きく跳ねた。 「や、嫌っ……夜神く…!」 口でされることにまだ慣れていないからか、場所が場所だからなのか、先生が酷く抵抗し始める。 両手で僕を引き剥がしにかかるが、その手には快感からか上手く力が込められていない。 無意識に退こうとする腰を逃がさないよう腕で固定すると、更に喉深くまでソレをのみ込んだ。 「やめ……そんなの、し、しなくて……いいですっ…」 裏返りそうになる声で必死に制止してくる先生を無視して、わざと音を立てるようにして口淫する。溢れてくる唾液と透明な先走りの液とが混ざり合って、舌を動かすたびひどく淫らな水音が室内に響く。 先生の呼吸混じりだった喘ぎが、高く、はっきりとしたものに変わった。 「嫌ぁ…あ、…あ、あ……っ…」 ぎゅっと眼を閉じてせつないなき声をあげる先生は、眉根を寄せて今にも泣き出しそうにもみえる。 「あんまり大きな声を出すと、誰かに気づかれるかもよ」 一旦口から吐き出してそう呟くと、すぐに今度はくびれにそって舌を這わせる。 「……っ……ぅ……」 僕の言葉に先生は僕の髪をまさぐっていた手を離すと、ふるえる両手で自らの口を覆い塞いだ。 ほんとうに素直で、可愛い。 僕は喉の奥で微かに笑い再びソレを口腔内にとりこむと、舌を押しあてるようにしてつよく吸い上げた。 「ひっ…………っ」 感覚があまりに強すぎるのか、がくがくと太股が震える。 精一杯抑えているのだろう悲鳴のような喘ぎが、両手で塞がれていることでくぐもって一層淫猥な響きをはらんだ。 無意識のうちに膝が内側に捩れて閉じようとする脚を強引に大きくひらかせると、僕は前のめりになって快感に歪んでいる先生の顔を覗きこんだ。 「欲しい?」 笑みながら意地悪くそう訊ねる。赤らんだ顔で荒く息をつきながら先生がなんども瞬きをした。 その潤んだ瞳に何ともいえず慾情をそそられる。 こんな先生きっと誰も知らない。 きっと先生自身も。 クラスメイトも他の受け持ちの生徒も同僚の先生も想像だって出来ないだろう。 僕だけが知ってる。 情事の最中の先生はこんなイヤラシイ表情をしてみせることを。 僕は同じ言葉を繰り返した。 「ねえ、欲しい?先生……」 その唾液にぬめった赤いくちびるが震える。 赤かった頬がさらに赤みを増した。 「……っほしい…です……っ…」 声を引き絞るようにしてなんとかそう吐き出すと、居たたまれないのか両手を交差させて自分の視界を塞ぐ。 僕は唇の端を吊り上げて笑うと、その手を引き剥がすようにして再び先生の顔を覗き見た。 「本当に……ついこの間まで殆どセックスを知らなかった人とは思えないよ先生」 「!!」 少しからかい過ぎたのかその顔が可哀想なほど真っ赤に染まり、羞恥から泣き出しそうな表情になった。 その涙の溜まった目尻にくちびるを寄せ、吸い付く。 「ゴメン、苛めすぎたかな。……いいよ、イかせてあげる」 かがみ込み、顔を伏せると愛撫を再開する。 「う……ンン…っ……」 慌てて先生は先と同じく口を両手で塞いだ。 そろそろ限界が近いことは、その痛いほどに張り詰めた性器から容易に感じ取れる。 たらたらと際限なく垂れ落ちてくる透明な液体を掬い、先端の穴をこじ開けるように舌先で刺激すると、小刻みに身体を震わせる先生の閉じた目からとうとう涙が滴った。 「あ、あ、…もぅ…っ…」 千々に乱れる呼吸の合間から、先生が限界を訴えてくる。 「いいよ、イって」 「はな、はなして…くださ…っ……」 口を塞いでいた先生の手が離れ、再びちから無く僕の髪を掴んだ。 「だからいいよ、このまま」 「そ、…っでき……ませ………」 口の中に出すことに抵抗があるのか、必死に首を横に振る。 出さないなら出させるまでだ。 仕方なく僕は先生の腰を力づくで押さえつけると、奥深くまで咥えこみ思い切り吸い上げた。 「ひっ……あ、あぁ…っ」 悲痛なほどのなき声をあげ、先生の背が綺麗に弓なりに反り返る。 殆ど同時に口の中にどろりとした生暖かい感触が拡がった。 びくびくとした痙攣とともに吐き出されるその苦い液体を、喉を鳴らして飲み下す。 長い放埓が終わると、ようやく僕は萎えた性器から口を離した。 「おっと」 途端、先生の身体が芯を失ったようにくたりと前のめる。それを片手で抱きとめると、もう片方の手で体液で汚れた口元を拭った。 「大丈夫?先生」 「……す…みませ……ごめんなさい…」 僕がその顔を覗き込んで額に貼りついた前髪をかきあげてやると、先生は真っ赤な顔で反応の鈍いうつろな視線を泳がせながら、謝罪の言葉を並べ続ける。 口の中に出したことがそんなにショックだったのだろうか。 「どうして謝るの。気持ち良かったんでしょ。嬉しいよ」 「…………」 それっきり俯いて黙り込んでしまった先生の乱れた着衣を手早く直してやる。 その作業を終えたところで、入り口の扉の上に備え付けられたスピーカーから午後の始業五分前を知らせるベルが鳴り響いた。 「おっと、予鈴だ。行かなきゃ」 僕の独言に、先生が「え…」と呟いて顔を上げた。 「ホントは最後までしたかったけど、やっぱりタイムオーバーだ。続きはまた今度」 意味深に唇をゆがめてみせると、先生はまた下を向いて前髪の中に未だ赤みの引かない顔を隠した。 「夜神くん」 「ん?」 「今日は定時で上がれますから、裏の駐車場で……待っていて…貰えますか」 顔を俯かせたままぼそぼそと消え入りそうな声で呟く。 「……………」 顔を上げさせなくてもわかる。 きっとまた頬を真っ赤に染めているに違いない。 学校でこういうコトに及ぶのが決まって木曜なのはこのことがあるからだ。 一週間のうち唯一木曜の時間割では、午後に先生の受け持ちのクラスの授業は入っていないのを確認してある。 こんな顔、他の連中には勿体無くてとても見せられない。 「…………いいよ、じゃあ後で」 優しくそう囁くと、こめかみにキスを落として踵をかえす。 鍵を開けて廊下に出て、ドアを閉めるまで先生はいちども顔を上げなかった。 まあいいか。 放課後にお誘いがあったということは、別段機嫌を損ねた訳でもないのだろう。 廊下の開け放った窓から吹き込む微風が、少し汗ばんでいた肌の上をなでるように攫っていく。ふと、身体に残った先生の匂いが微かに鼻腔を掠めた。 いとしくて可愛い、六歳年上の先生で恋人。 先生の側を離れるとすぐに時間の流れが通常に戻り、再びこれから始まる木曜の憂鬱に襲われたが、放課後のことを考えると心が浮上した。 らしくなく、この関係に嵌りきっている自分がすこしおかしくなる。 それでも、こういうのも悪くはない。 遠くで本鈴の音が響いて、僕は足を急がせた。 end. やっちゃったよオイ。 やっちゃいましたよ。はは(月笑い) パラレル・竜崎先生とその生徒月くんのキケンな個人授業(センスの欠片も無し) あっはっはっは皆さんひかないで!戻ってきてー!! 先日ほんのジョークでupしたpict.の高校教師が予想以上の反響があったため(※当社比) 「なにコレ、もしかして受け入れられてる!?(喜)」というカン違いのもとに書き上げた作品であります。 打てば必要以上に響くお調子者。それが私榛葉です。調子にのってスイマセン。 またバイト中プロット切りやがりました。 最近職場に働きに行ってるのかネタ考えに行ってるのかわからなくなってきました…。 結構頑張ってエロを描写してみましたが、エロいのかどうかは甚だ疑問です。 もうばれてると思いますが、ワタシ、実はエロシーン苦手です。 自分で書いてもちっともエロくならん!プンスコ!!(謎切れ) 昼休み編と銘打ったからには、モチロン続編を書く気満々です。 竜崎先生と月くんのはじめて物語とかゼヒやりたいです!イヤまじで。 ノーリアクション覚悟でいきます。でもついて来れそうな人は見捨てないでやってください…寂しいから(涙) よろしければ感想などお聞かせくださると有難いです。 それでは、最後まで読んでくださってアリガトウございました〜v update---2005.3.18 |