玉響 自分がこんなにも堕落してしまえる人間だとは思わなかった。
わずかに乱れた熱い息が、囁きとともに耳朶に吹きかかる。 「……何がです?」 「なんか、ぼんやりしてるみたいだったから」 云いながら、彼は私の肩口に顔を埋めた。そのまま甘噛みするようにくちびるをつけ、いたずらに吸い上げてくる。 「他のこと考えてたでしょ」 軽く腰を退かれ、思わず声が漏れる。 「…っ、夜神くんはかっこいいなぁって考えてたんです」 「ほんとうに?」 彼の手のひらがゆっくりと汚れた内股を撫で上げる。それだけで肌が粟立つような余韻をひく感覚に、また私の中でぞくりとするものが湧いてくる。 「うそです、ほんとは五限の小テストの採点、 薄いあめ色の髪を撫でながら云うと、あからさまに不満げな表情を浮かべ 「なお悪いよ」 時おりはっとするほど大人びた顔をしてみせる彼も、こういう拗ねた様子は十七歳相応の高校生にみえる。ふとしたとき覗かせる、彼の偽らざる素顔。
「……、っん」
「………まだ、するんですか?」 最初に口づけを交わしてから、かれこれ40分は抱き合ったままでいる。
「人が年寄りみたいな云い方しないでください」 「ならいいでしょ。もう一回だけ」
「いいって云って」
そうしてまた彼の手が私にふれて。 私はいつものように目を塞いだ。
短っ! すいません特に意味はありません… たんに竜崎先生視点の練習でした。 むずかしいんですよね…教師設定での竜崎視点。とくにエロ。 未遂以外はぜんぶ月視点ですからね…そのほうがハナシも進めやすいのですが 中には先生視点じゃないと成り立たない話もあるので。 玉響(たまゆら)ってひびきが好きです。 うたかた的な意味合いだったとおもうのですが…瞬間とか、しばしの間みたいな。 コッチも深い意味はありません… update---2005.8.31 |