不可視の檻の内側 5交換した清潔なシーツの上、完全に正体の無い肢体を横たわらせる彼は、さっきまでの狂態が嘘のように呼吸すら聞こえないほどに静かだ。 結局あれから、彼は二度失神した。 あのなまめかしい恥態にこちらとて一度の射精で収まるはずはなく、代わる代わるにもう許して、と泣き喘ぐ彼を犯した。 許容以上になぶられ続けた身体はすでに彼自身の制御を離れ、その足腰が立たないことをいいことに、こちらの好き勝手に扱い、いろんな体位を取らせてはその肢体の内側を味わい蹂躙した。 突き上げられる快感と苦痛に力を入れて耐えることもできない彼を、自分の上に背面座位の体勢で跨がらせ殊更に揺さぶりたててやると、彼は律動に合わせてその可愛い胸を彩るチェーンを鳴らして、声にならない悲鳴を上げ続けた。 精液どころか体液を余すところなく絞られ尽くした彼はもう他に熱の逃がし方がなかったのだろう。何も出さずに達した。 射精の伴わないそれは一度では済まず、幾度も幾度も。泣きじゃくって絶叫し女のように身体をふるわせ達したかと思うと、しつこく刺激を重ねてやれば彼は、びくびくと痙攣しながらだらしなくイキ続けた。 その猥らがましい反応がおもしろくて、何度射精なしでイけるものかと二人して立て続けに虐め抜いてやると、やがて彼は完全に事切れ、糸の切れた人形のように腕の中で崩ずおれた。 さすがに多少揺さぶってみても目を覚ます気配すらなく、意識の無い彼をこれ以上痛め付けても仕方がない。 バスルームでさらに汚してしまった彼の肢体を、当初の目的通り湯で優しく洗い流し、内部を丁寧に洗浄し、軟膏薬を塗ってやる間も彼はぴくりとも反応せず、深く失神したままだった。 そのままベッドに横たえてやると彼はただ眠っているようにしか見えない。 それでもこの部屋に足を踏み入れた時点よりも増えた肌の上の生々しい鬱血や、疲弊しきって影のおちた目許、そして綺麗にしてやった身体を拭き、シャツを着せてやった後に元通りにつけてやった首輪とそれから連なる重苦しい鎖が、言葉もなく彼のここに押し止めている象徴のようにみえた。 「そろそろ行くか。本業が待ってる」 本業、というのは無論、軍人としての任務だ。 時計に目をやるとすでに昼近い時間になっていた。 俺らにとっては上役の命令とはいえ愉しいひと時、彼にとっては長い悪夢の時間は漸く終わりを告げようとしていた。 古泉司令が今晩もここへやってくるのかはわからないが、彼は少なくともいつも通り夜になるまでは、安らかな休息を得られるのだろう。 きっと夢も見ずに、昏々と眠っている彼の前髪をかきあげ額にふれる。 額から、地肌に触れるように髪を撫で梳いてやると、わずかにしかめられていた眉が少し、安らかになった。 「………、……」 そしてほんの少し、注意して見ていなければ気がつかないほどかすかに、彼のくちびるが動いた。 こいずみ、と。 「………」 彼がどうしてここへやって来たのか、自艦の救助を願い請う為とはいえ何故こんな、人とも思われない慰み者として扱われることに甘んじているのか。 そして、あれほど軍務に於いては冷徹で合理主義な司令が、何故こんなにも彼に対してだけは異常とも思えるような執着心をみせるのか。それらはすべて、俺達の知り得るところではない。 ただ俺らも言うなれば彼と同じように、司令の命令にただ従っているに過ぎないのだ。命令が無ければおそらく、彼と出会うことすらなかっただろう。 音を立てないようそっと立ち上がると、奴と目配せをしてドアへと向かう。 照明を落とし廊下に出ると、彼の眠るベッドとこちら側を遮断するように完全に扉が閉まり二重ロックがかかる音に、少なくとも、また明日がやってくるまで彼はきっとどこにも行けない、そう何故か安堵を覚える自分に失笑した。 この部屋の内側に捕われているのは、彼だけではないと。 ---------------------------------- 実にすみませんでした 楽しかったです… 古キョンじゃないのでこっそり隠してましたが モブ×キョンいいじゃないっていわれたのでうp update:09/09/03 |