ルール オン ジェラシー 5本来受け入れる為の器官ではない其処は、女と違って勝手に濡れたりしない。
ローションだの使って散々慣らして、それでも挿入される時は苦痛を伴う。そういう経緯があることでやはり男同士というのは生物学的に鑑みて不自然なことなんだと思う。
何が言いたいかというと、しっかり準備をしていても古泉を受け入れるのは大変なのだから、ろくな前戯もなしに突っ込まれたりしようものならそれこそ痛い苦しいの話じゃ済まない。もはやセックスとも呼べない、殆ど拷問に近い暴力だ。
それがわかっていない古泉なわけはないから、これが奴の言う罰なのだろう。
「はッ、ぅ…、あぁ……ぐ、っ」
腰を揺さぶられるたび、拡げられた入り口の縁がぎちぎちと悲鳴を上げた。
腹の中を無理やり押し上げられる酷い圧迫感に吐き気が込み上げてくる。潤滑がないままに擦過される内部の粘膜が引き攣って、痛みとともに焼けつくような熱をもつ。
張り出した先端が埋没したかどうかのところでまたひっかかったのか、古泉が焦れたようにぐっと強引に突き入れてくる。その衝撃に俺はまた悲鳴を上げた。
止まらない涙が、頬を擦り付けたシーツに吸い込まれていく。
快感なんて微塵もない、ひたすら続く苦痛に嫌な汗がこめかみをつたう。
「ふ、…全部、入りましたね」
耳元をかすめた古泉の吐息に、緊縮する大腿がぶるぶると震えた。
ぎっちりと根本まで飲みこまされた縁を、古泉が確認するように指先でなぞる。
その感覚だけで身体の奥底で微かな埋火が燻るのを感じた。
浅ましいもんだ。どんなに苦悶を感じていても、僅かな綻びからでも身体は貪欲に快感を見出だそうとする。
古泉にこうされる行為が、気持ちいいことだと覚えこまされた所為だ。
「ぅ、…ぁあああッ！！！」
予告すらなく唐突に、一気にぎりぎりまで引きずり出される。
無理やり逆方向に粘膜を擦られる感覚に絶叫した。
「や…、…あ……ぅ あ、…」
全身を硬直させて堪え、びくびくと不随意に跳ねる身体を何とか宥めすかしていると、狭間にどろりと冷たい感触がきた。
結合部分まで垂れ落ちていくそれに、ぶる、と背筋が震える。
ローションがあるなら最初から使ってくれてもいいんじゃないか、と恨めしくなったが、罰というからには痛がらせるのが目的だったんだろう。
「……ん、あ…」
ぬちゅ、と粘り気のある水音を立てて、今度はゆっくりと古泉が入ってくる。
潤滑剤が足されたことでいくらか和らいだ苦痛に、俺は強張った肺からなんとか息を吐き出した。ぬるぬると馴染ませるように大きく往復する動きに呼吸を合わせる。
「…は…、はぁ…、ん、ん…」
「悦くなってきたみたいですね」
笑いながら指摘される。
いつもみたいに俺が感じていることを嬉しがっている笑みではない、それは嘲笑だ。
無理やり突っ込まれて痛いと泣き喚いていた癖に、結局反応してしまう俺を嘲っている。
それを惨めだと思う気持ちさえ、手ひどく蹂躙されるたび手折られ麻痺していく。
ぐっと大きく腰を突き入れられ、中の感じるところを先端が擦った。
「ふあ、…！！」
途端、電流みたいに全身を満たすよく知る甘い快楽に、勝手に声が出る。
たったそれだけで身体からは緊張も抵抗も抜けてしまうのに、古泉をくわえ込んだ部分はまるで離したくないというかのように、きゅう、と犯されている異物に媚びて強く絡みついた。
「んっ、あ…、ぅあっ、あ…、あ」
「これでは折檻になりませんね」
呆れたように囁かれ、恥辱にまた身体が熱くなる。
端ない、卑しい躯。俺をそんなふうにしたのは外ならぬ古泉なのに。
「う…、っあ、…っく、ぁ、っ…、ひっ…ぅ」
揺さぶられるまま上がる嬌声に鳴咽が混じって苦しい。
涙腺が壊れてしまったかのように、涙は止まるところを知らない。水分を含んだシーツが頬に触れて冷たかった。呼吸と喘ぎでひらきっぱなしの口からは涎が垂れて、手を縛られているからそれを拭うこともできない。きっとひどい顔になっているんだろう。
背中にのしかかった古泉の体温と重みが加わる。
シャツを捲くり上げた掌が胸をなでた。
「…ここ、会長に触られてましたよね」
「……っ、…」
「どんなふうに触られたんですか？」
囁かれた質問に俺は濡れた目を見開いた。
そんなこと言いたくない。言えるわけがない。
力なく僅かに首を振ると黙秘権はないとばかりに中を突き動かされ、堪らず俺はかみ締めていたくちびるをほどくしかなかった。
「…ッなで、られたり…っ」
「撫でられたり？」
繰り返しながら、古泉の手が円を描くように平らな胸をまさぐってくる。
会長にされても嫌悪感しかなかったものが、古泉にされていると思えばぞくりと愉悦が背筋を這いのぼる。
「…つ、抓まれたり…した…っ、あ…！！」
「どこを、抓まれたんですか？」
かあっと頬が熱くなる。
恥ずかしさでこめかみが痛んだ。
「…ふ、っち、乳首…」
「こうですか」
ぎゅっときつく摘み上げられた突起の先端を爪先で押し潰される。
「ひっ、や、ぁあああ…っ！！？」
いきなり走った鮮烈な刺激に、目の前が真っ白になる。
その瞬間、俺はびくっと全身を緊張させて白濁を放っていた。
同時に中の古泉もきつく締め上げてしまったらしく、耳元に微かな呻きがこぼれる。
「…っあ、…やッ、ま、待てっ…まだ…」
シーツを濡らす放埓が終わりをみせないうちに激しく抽挿を再開され、敏感になっている中が意識が途切れそうなほど酷い快楽をつみあげる。堪えようにも身体にろくに力が入らなくて、俺はやめてくれ、と哀願しながらされるがままに泣くしかなかった。
奥を突き上げられるたびに、それを嬉しがるみたいに先端から精液が量を増してあふれる。
「っんッ、んんん…！！」
ぐっと奥の奥まで押し込まれたあと、それが脈打ちじわりと温い感触が広がって、中に出されたんだと酩酊しきった頭で思いながら、茫然と波打つように皺の入ったシーツを見つめる。
「胸、弄られただけでイきましたね。…こんなに敏感で、本当に他の男に
触られて何にも感じないなんて言えるんですか」
「…っそん、なの…、っ…」
他の奴ならこんなになったりしない。
古泉だからだ。
哀咽しながらそう口に出すと、背中にのしかかっていた古泉が上体を離した。
「そろそろ自覚を持って頂けませんか。これまでにも何度も申し上げたとおり
ご自分がどれ程男好きする身体なのかということを」
ずるりと中が動いて、ゆっくりと引き抜かれる。
その感覚にまたぞくぞくとして呻くと、完全に抜け出たものを追うように奥から流れてきた古泉の精液が、とろりとあふれ太ももの内側を汚した。
古泉に支えられていなければ体勢を保つことも難しいほど弛緩しきった身体は、手が離れていけば勝手にずるずるとシーツに沈む。
ぐったりと横たわると、体重を支えていた首と肩がひどく軋んだ。腕も付け根と手首が痛い。ことに手首は、既に擦過傷ができていてもおかしくないだろう。
ともかく、やっと終わった。
嬲られている時間にすれば、最悪夜ベッドに入ってから空が白むまで解放されないこともあったことを思えば長いものではない。が、行為の内容が内容だ。
べったりと下半身とシーツを汚したぬるつく不穏な粘液が気持ち悪い。
早く洗い流して、帰って眠ろう。とんだ厄日だ。
そうぼんやり思惟していると、ぐいっと無造作に腕をつかまれ上体を引き上げられる。
すげ無い表情の古泉は、未だ冷淡な目のまま俺を見下ろしていた。
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まだ続くとかそろそろKYですかわたし／(＾O＾)＼
update:08/2/2