岡部×キョンだよ!d(´∀`)b
接触0.3mm
いったいどうしてこうなっちまったんだろうな。
「ん……、…っふあ、っ」
触れ合わせた唇とくちびるの隙間から、悩ましい、という形容がぴったりくるくぐもった喘ぎが零れる。
声変わりも終えた男のものであるその声、普段喋るときは割と低く、だるそうな、今は少し上擦って明らかな媚を含んだその声が、どうしようもなく腰骨のあたりを疼かせる。
飽きずにひたすら押し付け合った結果お互いに、どちらのものとも分からない唾液で唇はおろか顎の辺りまでびしょびしょだ。
「はぁっ……、う、んん、…」
僅かに舌を引こうとすると、それを嫌がって追い掛けてくる。ぎゅう、と首に廻された両手に力が篭った。
催促するように舌を差し出され、咥内へ入り込んでくるそれを甘く噛んでやると、こちらの膝を跨いだ身体が、腰のあたりから連動するようにびくっと跳ねた。
「ぁふ、…っ、…先生、…」
触って、と、ようやく離れた、ぬらぬらと濡れた唇が囁くように促す。
先生、と俺を呼ぶこいつは、紛れも無いこの春から俺が受け持っているクラスの生徒だ。
普通だったら教師は、担任をしている教え子とこんなふうに口と口をくっつけ合ったり、ましてや身体に親密に触れるようなことはしないだろうな。俺だって何がどう間違ってこうなっているのかは未だにわからない。
こんな事実が明るみに出たら、俺は百パーセント、公立高校の男性教諭、教え子の男子生徒に淫行!みたいな見出しで新聞やネットに実名で載った挙げ句職を失うこと間違いない。教育委員会の査問にかけられ、挙句悪ければ刑事事件、と行く先真っ暗な想像は易い。
だからやめなければ。
と、思いながらも毎回ずるずる、今回だってこうして埃臭い体育倉庫で逢瀬を重ねてしまっているのは、俺があまりに意志薄弱なせいなんだろうか。
「せ…、んせ、っ、……早く…さわって」
焦れた声でねだって、俺の手を掴んで服の下へと導く。
今日は部活で野球練習をさせられた、と言っていた通り、放課後だというのに珍しく学校指定のジャージ姿だ。
ジャージのファスナーを開けて中の体操服をたくしあげ、言われるがままに滑らかな素肌を撫でると、皮膚の下、横隔膜を引き攣らせて息を呑むのがわかった。
「あっ、…!」
ないに等しい小さな乳首を親指で押し潰すように刺激してやる。
普段からは及びもつかない可愛い声を上げて背筋が僅かにのけ反った。あらわになった腹に腹筋の筋と、肋骨のへこみが浮き上がる。
男特有の硬い身体だというのに、なぜだか異常なまでの興奮を覚えるのは、俺がとっくにどこかおかしくなってしまったからなんだろうか。
「先生、っあ…、…し、下も、……」
にじ、と僅かに揺らされる腰が、高ぶりきった股間の熱を俺の身体に押し付けるように揺らされる。
正直始めの頃は、あんまりにもこちらを煽り立ててくるその手管に、男を誘い慣れてるとしか思えなかった。が、そのことを正直に話すと脛にローキックを入れられた挙句、真っ赤な顔で童貞で処女(という表現は語弊がありそうだが)だと宣言された。恐ろしいことにこういうやり口も完全に無意識であるらしい。
焦らす理由もないので下のジャージに手をかける。
脱がせようとすると、自分から腰を上げてそれを剥ぎ取るように下着ごと片足を抜く。 しなやかな、日に焼けていない脚の間、すっかり勃起した性器の先がすでに濡れているのが見て取れた。
「あ、っ……、っは、ッン、…んん、…っせんせぇ…っ」
ゆるく握り込んで上下させると、せつなげな声を切れ切れに上げて、膝に跨がった身体がしなる。ぎゅっと肩のあたりを掴む手に力が篭る。薄暗い倉庫でもわかるくらい、耳まで赤く染まった顔に、涙の浮いた目。普段教室の中では仏頂面でいることが多いこいつの、こういう時のこういう顔は、本当に反則だと思えるくらいに凄まじい色気があった。
こんな様子で誘われたら、誰だって言われるがままにするしかないんじゃなかろうか。
「あ、あ…、…う、しろ、も……、…して、っお願…」
「…今日はそっちはなしって約束じゃなかったか?」
「やっ…、おねがい、先生、もう、……っ」
欲しい、と泣き出す寸前のような声で乞われ、喉が焼け付くような興奮が暈を増す。
胸元に触れていた手を口許に持っていくと、何も言わないのに指にしゃぶりつかれる。 人差し指と中指に赤く熟れ熱い舌を這わせ、ぬるりと咥内へ取り込まれた。
軽く吸うように唇をすぼめて顔を上下させて唾液を絡ませる。これが本当に無意識の行動なら末恐ろしいもんだ。
「ふァ…、…」
濡れた指を抜き出し尻の狭間に触れると、待ちきれないとばかりに腰がまた揺れる。
探り当てた小さな穴の廻りにぬめりをこすりつけるように撫でたあと、その窄まりの中心をぐっと押した。
「あ…っ、は、…っ!!」
つぷん、と抵抗を抜ける感触のあと、中指がずぶずぶと熱い体内に埋まり込む。
始めは流石にまだ未成年の子供相手にここまでするのは、教師以前に人間としてどうかとは思ったものの、泣いてねだられ結局押し切られて指を入れてしまった。
しかもこうやって指で弄るたびに、気持ちいい、とか、もっと、とか、有態な言葉で殊更に悦ばれるのでつい流されているのが現状だ。
それを言えば抱擁もキスも告白も同じようなルートだったわけだが。
やっぱり俺の意志が激弱なのが元凶なのもしれない。
「せんせ、ッい、……い、れて、…っ」
「それはダメだって言ったろ」
「やだ、いれ、入れて…っ、先生の……」
「ダメだって」
愛撫はしても、挿入はしない。
それがこういう関係に陥った時に交わした、俺のこいつの間の約束だ。
元を質せば教え子とこういうことをしている時点でアウトなわけだが、挿入して、身体を繋げてしまったら完全に何かが駄目になる気がした。
指を二本まとめて埋め込み、指を中で拡げる。断続的な短い悲鳴とともに背筋がぴんと反る。お願い入れて、と半ば泣き叫ぶような声が上がった。
「ッ馬鹿、声…抑えないと聞こえるぞ」
「ひんっ……んんっ、だって、…っ、…」
涙を零しながら顔を肩口に埋め、声を殺すためかこちらの上着に噛み付く。
掌の中で性器がびくびくと脈打って、そろそろ限界なのがわかった。
「そろそろいきそう、なんだろ……いいぞ、出しちまえ」
「やぁっ…、…入れ…っ先生の、…」
「だーめ」
ぐちゃぐちゃに濡れた先端を強く指の腹を押し付け擦りながら、後ろに埋めた指を反応のいい腹側に曲げて壁を小刻みに押し上げる。
歯を立てたジャージをさらに強く噛み締めながら、押し殺した悲鳴を上げて縋りついてくる肢体がぶるりと大きく奮えた。
「んうううっ、ん、んーっ…!!」
痙攣に合わせてどろっとした生温い液体が先の小さな孔からあふれ、飛び散らないよう包み込むように握った指と指の間から伝い落ちていく。嗚咽混じりの荒い呼吸だけがやけに倉庫に響いて聞こえた。
「は…、…はぁ…っ…、…………馬鹿っ、…」
恨みがましげな、ささやかな罵倒とともにぐったりと身体をもたれさせてくる。
その重みを受け止めながら、あと何回薄弱な俺の意志で以て、この抗い難い誘惑を拒むことが出来るだろう、とぼんやり考えた。
ついったーでのみ公開した岡キョンでした
先生おいしいよ先生
update:10/5/11