絶対隷従 4
いつの間にか時間は宵の口に差し掛かろうとしている。
デスクに向かい、彼の持ってきた書類にサインをしていると、いつから気がついていたのか、彼は瞼を半分持ち上げぼんやりと天井の一点を見つめていた。
「気がつきましたか」
声をかけると、一瞬彼ははっとして僕の方を見たが、すぐに自分の置かれている境遇を思い出したのか、苦そうな表情を浮かべ顔を反らした。
だらりとソファに投げ出されたままだった肢体を掻き抱くように丸め、ゆっくりと起き上がる。上体を起こす瞬間ぐっと眉がしかめられたのは、身体が痛んだ所為だろう。
徐に椅子から立ち上がると、彼がびくっと身体を強張らせるのがわかった。
怯えた小動物のような態度に、ふ、と笑いを零しつつソファへと歩み寄ると、彼は慌てて立ち上がろうと床に裸足のまま降りようとする。
「っ、……!?」
「おっと」
ろくに腰が立たないのか、がくんと膝から崩ずおれた彼の身体を、床との衝突ぎりぎりで支えてやる。
腕の中でいっそう固く身体を緊張させる彼の耳元で、心配しなくてももうしませんよ、と囁いた。初めての人間にこれ以上を強いるほど、僕も無情なわけではない。
「立てますか」
声をかけると、僕の介添を嫌がるように身をよじらせる。
床に手をつき立ち上がろうとしたところで、彼が、あ、と小さく声を上げた。
やはり身体が言うことを聞かないのかと思い彼の顔を見やると、いたたまれないといった表情でくちびるを噛みうつむく。
その視線の先を追うと、裸身のままの白い彼の内股をとろりと伝う濁った液体が、床にまで垂れ落ちていくところが見えた。
僕が中に出したものか。
あらかた処理していたが、奥に残っていた分が降りてきたらしい。
彼は羞恥からか、噛んだくちびるを微かにふるわせながら、じっとその様子をみつめていた。煽情的な光景だ。伏した睫毛や、軍服の裾からのぞくうなじが何ともいえない色気を滲ませている。
「奥にバスルームがあります。どうぞ使って下さい」
「……結構です」
目も合わせずぴしゃりと言い放ち、投げ捨てられた衣服を拾い上げる。
一刻も早くこの場から離れたいのだろう。濡れた下半身をろくに拭おうともしない彼の手を差し止める。
「そのままでは具合を悪くしますよ。ご存知ないでしょうが」
中を洗い流しましょう、と言うと、意味を理解するなり彼が目を見開き、かぁっと頬に血を上らせた。
「い…ッいいです…!自分で…します」
「一般棟のシャワールームで?許しませんよ」
他人にこんな状態の彼を見せるなんて、想像するだけで不愉快極まりない。
そう考えたことが顔に出てしまっていたらしく、彼は僕の機嫌を損ねたとでも思ったのか、びくりと肩をすくめる。まだ何かいいたげな口を閉じると、下を見た。
従順ともとれるその様子に、自然と口許が緩む。
「いい子ですね。…あなたには、やり方を覚えて貰わなくてはいけませんから。きちんと教えて差し上げます。後始末もですが、これからここに来る時には、どう準備しておくのかもね」
耳に直接吹き込むように囁いてやると、彼は先刻僕に身体を明け渡したときと同じような、絶望を塗り固めた瞳でわずかに顎を動かし僕を見た。
心なしか青ざめてみえるのは、これが終わりではないことを悟ったからだろう。
勿論、これは終わりじゃない。
彼がこの手の届く場所に在る限り、僕は彼を何度でも自らの劣情で穢すだろう。
卑怯な手段で以って。上官命令というたったそれだけの理由で、だからこそ彼が逆らえないことを承知の上で。
軽く腕を引きあげると、されるがままに立ち上がった彼に抵抗の意思がないことに充足を覚えながら、僕は彼をバスルームへと導いた。
そして作戦参謀の調きょ…受難ははじまった\(^O^)/
ほんとうに辛いのは痛いが気持ちいいに変わった後だと思うわけです
ようするに後ろが気持ちよくなって愕然とする作戦参謀がかきたいわけです
update:08/3/4