誰にでも平等で分け隔てないということは、裏を返せばその誰ひとりにも興味がないということの如実な表れである。

 彼の動向を見ていると、そう感じることが多々あった。
 誰に対しても態度が一定で、同じように笑い、同じように喋り、相手に合わせた言葉や仕草の微妙な差異こそあれ、根本はなにも変わらない。

 無関心なのだ。

 相手に対しても、いや、むしろ、自分自身に対しても。
 自分以外の誰かが、自分のことをどう考えているのか。そういったことにも実際彼は、まるで興味がないようだった。
 社会生活を円滑に過ごす為のスキルとして突出した干渉術を持ちあわせてはいても、それは彼にとって義務の域を出得ない。多くの友人に囲まれていながら、どこか踏み込むことを許さない一線を引いた他人との交わり。そしてあらゆるものに対して無執着であるがゆえの、気まぐれに見せる彼の攻撃性と冷淡さ。少なくとも私の目には、

 彼は、孤独に見えた。








next→