「約束は、約束だよね?」 にっこりと微笑んでそう云うと、半眼になってこれ以上ない怪訝そうな表情で先生は下から僕を見上げてくる。 「……………夜神くん……」 「ん?」 何か物申したげに口を開いたり閉じたりして逡巡したあと、云っても結果が覆るでもないことを悟ったのか、先生は大きくため息をついて首を俯かせた。
お泊り編
結果はもちろん、云うまでもない。 もともと一定以上の点数を取らないことにのみ気を遣っていた化学だから、実力テストとは云え首位の成績を収めるのは容易いことだ。 なんにしたって、約束は約束。 先生はあれで一度口にしたことは覆せない頑固なところがあるから、いまさら反故にすることなんて出来ないのを僕はよく知ってる。
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